極上御曹司の独占欲を煽ったら、授かり婚で溺愛されています
「坂本にときめいたのも、生理がきたからかな? ほら、よく女性ホルモンのバランスが崩れるって言うじゃない? でなきゃ可笑しな話よね。坂本をカッコいいと思うなんて」

「アハハ」と声を上げて笑う光美とは違い、こっちは笑えない。

「いやいや、光美。生理とか関係ないんじゃないかな? だってさっきの大は私から見ても、カッコいいと思ったもん」

 本人が気づかなければ意味がないとわかっていても、言わずにはいられない。これはあまりに大が不憫だ。

「そっか、やっぱりカッコよかったよね。……坂本かぁ。今まで恋愛対象にしてこなかったけれど、よく考えればアリよね」

「そ、そうだよ! 幼なじみとして、大はオススメ!」

 ついムキになってしまうと、光美は目をパチクリさせた。

「さくらがそんなにムキになるなんて、珍しいね。……でも、さくらにオススメされたら無視はできないかな。仕事も落ち着いてそろそろ恋愛したいと思っていたし、向こうに戻る前に一度、坂本をデートに誘ってみようかな」

「うん、それがいいと思う! いつも会うのは三人でだったから、ふたりで遊んだら新たな発見もあるよ」

 嬉しくていつもより饒舌になる私に、光美もまんざらでもない様子。
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