My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 4
「は、はい。お役に立てて良かったです」
今はその先生が大変な状況なのだけれど……そう思いつつなんとかそれだけ答える。
救った方法を聞かれはしないかと気が気ではなかった。
「先生がいてくださって本当に良かった。わたくしめが用意した医師はどれも全く役に立ちませんでしたからな」
苦笑しながら言うプラーヌス。
こちらを立ててくれているのかもしれないが、そんな言い方をされて先ほど帰って行ったお医者さんたちがなんだか可哀想に思えた。
私が曖昧に笑っていると、彼は笑顔で続けた。
「これもツェリウス殿下が先生方をお連れくださったお蔭」
そこで王子の名が出てどきりとする。
「本来でしたら先生方もお招きして殿下帰還の宴を開きたいところなのですが、陛下がまだあの状態ですからな……。誠に申し訳ない」
「いえ、そんな!」
いきなり謝罪されて慌てる。
……しかしそんな状況、考えただけでも胃がおかしくなりそうだ。
「デイヴィス先生にもそうお伝え願えますかな」
「はい、伝えます。そ、それでは、すみません、失礼します!」
私は頭を下げ、逃げるようにして彼の横をすり抜けた。
――終始穏やかな笑みを浮かべていたが、やはり何とも言えない威圧感のある人だ。
(王子暗殺のことを知っているからかもしれないけど……)
なんだかいつまでも見られている気がして、後ろを振り返れなかった。
今はその先生が大変な状況なのだけれど……そう思いつつなんとかそれだけ答える。
救った方法を聞かれはしないかと気が気ではなかった。
「先生がいてくださって本当に良かった。わたくしめが用意した医師はどれも全く役に立ちませんでしたからな」
苦笑しながら言うプラーヌス。
こちらを立ててくれているのかもしれないが、そんな言い方をされて先ほど帰って行ったお医者さんたちがなんだか可哀想に思えた。
私が曖昧に笑っていると、彼は笑顔で続けた。
「これもツェリウス殿下が先生方をお連れくださったお蔭」
そこで王子の名が出てどきりとする。
「本来でしたら先生方もお招きして殿下帰還の宴を開きたいところなのですが、陛下がまだあの状態ですからな……。誠に申し訳ない」
「いえ、そんな!」
いきなり謝罪されて慌てる。
……しかしそんな状況、考えただけでも胃がおかしくなりそうだ。
「デイヴィス先生にもそうお伝え願えますかな」
「はい、伝えます。そ、それでは、すみません、失礼します!」
私は頭を下げ、逃げるようにして彼の横をすり抜けた。
――終始穏やかな笑みを浮かべていたが、やはり何とも言えない威圧感のある人だ。
(王子暗殺のことを知っているからかもしれないけど……)
なんだかいつまでも見られている気がして、後ろを振り返れなかった。