My Favorite Song ~異世界で伝説のセイレーンになりました!?~ 4
「や、その可能性はあるかも」
そう続けてくれたのはアルさんだった。
「さっき殿下は、今はもうドナちゃんが吹かなければ身体に変化はないって言ってましたよね。それまでは自分で吹いても変身出来たと」
王子が頷く。
「なら、愛する人がなんらかの理由でいなくなってしまったとき、自分で吹いて呪いを抑える曲もあったりしませんかね」
「そっか……、そうですよ王子!」
私は興奮を覚えながら訊ねる。
「他にはどんな楽譜があるんですか? これは【愛を伝えるもの】でしたよね」
「あ、あぁ」
王子はすぐにページを捲り始めた。
その手が楽譜を見つけて止まる。
「これは、【心を静めるもの】と書いてある」
先ほどの曲より長く、でも音符は大分少ない。
(ヒーリング曲って感じかな)
再びページが捲られる。
「これは【踊りと共に】」
ということは、おそらく舞曲だろう。
「きっと当時はこの曲に合わせて踊っていたんですね」
「かもしれないな。……そして、これは【安息を祈るもの】とある」
(安息を……)
亡くなった人を悼む曲だ。
愛する人が亡くなってしまったときに、この曲を吹いていたのだろうか。