A Z T E C | 年上ドクターの甘い診察


せっかくの雰囲気だったのに、
いいタイミングで体温計が鳴った。


(もう…って、えっ、37.2℃ !?)


先生に見られないよう、
とっさに体温計を隠す。


「何℃だった?ほら、貸して。」


「えっとその…わっ!」


体温計を見られないよう
手を遠くに伸ばしたせいで、


押し倒すように先生は
杏の上に覆いかぶさった。



先生の目線の先には、体温計。
そしてゆっくりと杏に目線を移した。



「いい子だから、大人しくベットに戻るよ」


そう言って先生は杏を抱きかかえると、
部屋のベットに優しく下ろした。



「続きは、完治してからの楽しみにするね」



そういうと先生は杏の頭を撫でて、
おでこにそっとキスをすると耳元で囁いた。



「杏のカラダが早く良くなりますように」



その夜はこれまでにないくらい、
先生の甘々すぎる看病が続いた。


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