それは一夜限りの恋でした
「由比……千華(ちはる)を愛してる。
千華を好きになって初めて、恋を知った。
妻と結婚する前に千華に会いたかった」

泣きだしそうな彼の首に腕を回し、自分から唇を重ねる。

「向坂さんが好きです。
愛しています。
私が初めて、恋した人は向坂さんだから……」

今度は向坂さんから、まるで愛しむかのように唇が重なった。

「千華……」

「向坂さん……」

じっと彼と見つめあう。
それだけで幸せで、泣きそうだった。

「……(れん)、って呼べ……」

「……ん」

再び、唇が重なる。
ただひたすらになにもかもを忘れて情欲に溺れていく。

「……!」

未開の身体に彼が入ってきて、痛みで上げそうになった悲鳴は唇を噛みしめて堪えた。
< 18 / 21 >

この作品をシェア

pagetop