ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋
事実だと認めているような応対。
彼女は俺と伶菜に関係があることを認めさせるように話を持っていってたわけだから、今の発言はもう後の祭り。
「あたし、個人情報漏らしたとか言いふらしませんよ。親友ですもん、伶菜の。日詠先生が困ることは伶菜を困らせることになるし。」
『・・・でも、医師として失格です。でも、あなたが伶菜を支えて下さったこと、感謝しています。』
「家族でしょ?それなら普通なんじゃないですか?親友に話をすることぐらい。場所がちょっと特殊だっただけで。」
伶菜を支えてきてくれただけでなく、俺に逃げ道を作ってくれるこの人に感謝しなくては・・・
そう思わずにはいられなかった。
「というわけで、日詠先生、一緒に伶菜を迎えに行きましょ♪」
『はい?』
でも、感謝し始めた相手であるはずの杉浦さんが、突然、またこっちがビックリするようなことを言いながら、診察室の患者用の丸椅子に腰掛けたまま身を乗り出しニヤリと笑う。
「だから、東京まで。もうすぐ退院でしょ?」
『ええ、まあ、そうですけど。』
今すぐにでも迎えに行きたいのはやまやまだが、伶菜がそれを喜んでくれるかどうかはまた別の問題だと思う
まだ、同居するかどうかの返事も貰っていないわけだし
「だって、同居するんでしょ?」
『・・・なんでそれを?』
「伶菜、迷っていたから。日詠先生に甘えちゃいけないよねって。」
『甘えちゃいけないなんて・・・・そんなことない。』
甘えちゃいけないどころか、
同じ名古屋に居て、傍にいないとか
俺自身、そんなこともうあり得ないなんて勝手に思ってる