ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋


ヤだ、なんで?
なんでまた・・・・

私の頭の上の方から聴こえてきたその声

低くて
優しくて
あったかい・・その声

聞き覚えある・・・・




『日詠先生?!』

私はその声の主の顔を確かめることなく声をあげてしまった。

そして慌てて上方に顔を向けると、そこには
上を見上げる私とダンボールを覗き込んでいる、日詠尚史という人物の姿があった。



「あっ、日詠先生、ご苦労様です!」

「あっどうも、杉浦さん。この前はわざわざ病院まで電話してきてくれてありがとう。」


杉浦さんって、あっ、真里のコトか・・・
って、電話してきてくれてって
どういうコト?



『ゴメン、俺・・・・』

「日詠先生、何、謝ってるんですか?! 彼女が怖い顔しているのは、先生の不手際とかそういうのじゃないですから。」

『・・・・・・・?!』

「ハイハイ。伶菜もそんなに怖い顔しないの!伶菜と祐希が退院する日時が正式に決まったことを日詠先生にお知らせする為に電話しただけだよ。でも、先生は既にご存知でしたけどね・・・ねっ、先生?」

「・・・あっ、そうそう。」


日詠先生・・・なんで顔、紅くなってるの??
まさか、真里となんかあったの????


「ひーえいセンセ!そんな紅い顔してると、妹さんが変な誤解とかしちゃいますから・・・」

「・・・・・・・・・」

苦笑いしながらとうとう俯いてしまった日詠先生。
壁にもたれ両腕を組み、意地悪そうな笑みを浮かべた真里が口を開いた。


「先生、ホント言葉が少ないですよね。じゃ、私から説明しますね♪」

「・・・・・・・・・」


説明するって
何か深い事情とかあるの?




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