ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋
「久保先生は手術中の日詠先生になんとか相談すべきだったのに独自で判断し対応してしまった・・・シニアレジデントという立場なら、いくら緊急だったとはいえ日詠先生に相談した上で指示を仰ぎながら対応すべきだったんだと私は思う。」
『・・・・・・・・』
「なのに、日詠先生は久保先生の責任を一切問うことなく、”自分がいち早く手術を終えて久保のところへ駆けつけていればこんなことにはならなかった” って自分を責め続けてい・・・」
声を詰まらせた福本さんはそれ以上話すことができなかった。
だから、日詠先生は
5日も家に帰って来られなくて
難聴になってしまうほどストレスを抱えてしまって
だから、あんな風にあの青空をじっと見上げていたの?
『福本さん・・・・』
「ゴメン、私が泣いちゃいけないよね・・しっかりしなきゃね・・・・」
顔を覆って俯いた福本さんの肩に私はそっと手をあてた。
その私達の横をグレーのスーツを着た一人の男の人がスッと通り過ぎて行く。
そしてその人は青空を見上げ立ったままでいた日詠先生に近づいた。
「三宅先生・・・・・」
福本さん?
三宅先生って??
『福本さん・・・』
福本さんはその男の人の後を追うように日詠先生が立っている方へ歩き始めてしまう。
私も福本さんの後ろをついて行ったものの、病院スタッフでもない自分が彼らのもとに行ってもいいものかと思った瞬間、途中で足が止まってしまった。
そんな私の頬を冷たい風がそっとかすめる。
「三宅教授・・・」
私達の横を通り過ぎて行ったその男の人は、さっきの私達の話し声が聞こえていたのか、日詠先生の左側に立った。