ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋
Reina's eye ケース41:モラトリアムの終わり


【Reina's eye ケース41:モラトリアムの終わり】



あれ?
やっぱり夢なのかな?

夢だよね
そうだよね

私、フラれたんだもん


康大クンが突然、私の前に現れた時には
この先、どうなってしまうか怖かったけれど

夢の中で現れただけだから
大丈夫

でも、なんだかんだ言っても、ちょっぴり嬉しかったな
夢の中だったけれど
大好きだった彼に “結婚しよう” と言われたコト
嬉しかった

でも夢だから、それは叶わない




「伶菜?大丈夫か?大丈夫か?」

『・・・ひ、日詠先生?私、えっ、?ここどこ?』


自分の名前を呼んだ声がなんだか遠くで聞こえる。



「病院の処置室。突然、意識を失ったからびっくりしたよ・・・大丈夫?」


あれ?この声
日詠先生の声じゃない


「よくあるの?こういうこと・・・」


やだ、夢だと思っていたら目の前に康大クンがいる
さっきの “結婚しよう” っていうのも、夢なんかじゃなくて
・・・現実?!


えっ、もし現実なら
えっ、私、どうしたらいいんだろう?

ああっ・・・またフワーってしてきた




ガチャ!!!!



「伶菜!!!!!!!! お前、大丈夫か?福本さんから意識飛んだって聞いて」


凄い勢い!息切れてる、この人
あれっ?今度こそ日詠先生かな?


「お前、ちゃんと朝飯食ったか?ミネストローネ作って置いておいたんだけど・・」


今度こそ日詠先生だ!
手術着の上に白衣を羽織った勤務中お決まりのスタイル

手術直後かな、襟元にうっすら汗かいてるけど
何度見ても、カッコイイ!!!

違う、ちがう!!!!
カッコイイって言ってる場合じゃない!!!!
仕事中に飛んできてくれたのかな?

やだ、フワーってしてる場合じゃない
今、また意識が飛んじゃったら、日詠先生に余計な心配かけちゃう


先生、とんでもなく心配性だから
しっかりしなきゃ!


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