ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋



『ミネストローネは食べたけど、パンは食べる気がしなくて。』

「ったく、炭水化物もちゃんと食べなきゃダメだぞ!ダイエットかなにか知らないけれど、ちゃんと食べろ!」

日詠先生、やっぱり怒ってる



『ゴメンナサイ・・ちゃんと食べる・・・』

「ったく・・・」


日詠先生、ちょこっとだけど笑ってくれた
もう怒ってない


「とりあえず大丈夫そうだな・・・今日は17時に仕事あがれそうだから夕飯は任せろ。何がいい?」


日詠先生、笑ってくれた!!
今日は定時で帰ってこれるんだ


「って聴いてはみたものの、今日のメインは俺の独断でお前の苦手なレバニラな!貧血、治ってないだろ?鉄剤飲むの、サボってるみたいだし。」

『えっと、鉄剤、どうも苦手で。』

「飲まないと治らないぞ。だから、とりあえず今日はレバニラ。すぐに病棟に戻らなきゃいけないから俺、行くから・・・処方箋出しておくから福本さんに点滴してもらえな。」


日詠先生、あっという間に行っちゃった


レバニラか~
それも苦手なんだよね
でも食べないと、自宅にいても兄がドクターに早変わりしちゃうから


「伶菜?今の人って・・・一緒に暮らしているのか?」



康大クン?!

あっ!!!!

突然の日詠先生の登場で、すっかり頭から飛んじゃってた
この人、康大クンの存在を・・・

院内は電波状態が良くないから、閉めたままだった窓側のカーテン裏側でスマホを操作していた彼

っていうか今のやりとり、聞かれてた?見られてた?



『・・・・・』


というか、日詠先生、康大クンの存在に気がついてた?
日詠先生は私としか話をしてないはずだから、気がついてないよね?


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