ラヴシークレットルーム Ⅰ お医者さんとの不器用な恋
Reina's eye ケース8:変わり始める時


【Reina's eye ケース8:変わり始める時】



『妊婦って半端なく暑い!!!!!!』


季節はすっかり夏。

真里に付き合ってもらいながら、少しずつベビー用品を揃えていった私はもうすぐ妊娠9ヶ月に入ろうとしていた。

至ってシンプルだった私のワンルームマンションはベビー用品が並んだことにより生活感が溢れている。

ホワイトカラーのベビーベッド。
その真上の空間には心地いいオルゴールの音がするメリーが揺れている。
普通のタンスと比べて横幅の狭いベビータンス。
その中には新生児用の優しい肌触りな真っ白い肌着が5枚。


超音波検査の時に日詠先生から

「赤ちゃん、男の子か女の子か知りたい?本当はまだ言っちゃいけないけど・・・」

と言われたけれど、産まれてからのお楽しみにしたいと赤ちゃんの性別を聞かない事にした。


だから、カラフルな肌着はまだ未購入。
でも、もういつ産まれてきてもいいように準備は整っていた。


私の心のほうも
頻繁で力強くなっていた胎動を感じ取ること
そして
日詠先生が診察毎に渡してくれた赤ちゃんが白く写し出されている超音波検査の写真をコピーしてファイリングすること

それらによって、赤ちゃんに対する愛しさが増してきて、いつ産まれてきてもいいように準備が整いつつあった。
でも、出産予定日が近づいてくると、やっぱり緊張する私もいた。


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