世界で一番幸せそうに、笑え。

変わってしまった世界


「依!もう7時20分!!!早く起きる!!!!」

私の朝は、いつもお母さんのこの声から始まる。


閑静な住宅街にある私の家に朝から響き渡るこの声は、ご近所さんにも聞かれてるんじゃないかな、なんて。


「わかってる!起きてるから!!!」


本当は今目覚めたのに、小さな反抗心から毎朝こんな返しをしてしまう。

きっとこんな私は、お母さんがいなかったら永遠に寝ているのだけれど。

急いで1階におりて、5分以内に顔を洗い、制服に着替え、前髪を巻く。後ろの髪は適当に結べば、食卓に着く。あと15分で家を出ないと学校には間に合わないというのに、毎朝懲りずに朝食にたらたらと時間をかけてしまう。…反省。8分弱でご飯を食べれば、リュックに荷物を詰め、トートバッグに弁当と部活着を入れる。あと数分。ここでもう一度洗面台の前に立てば、歯を磨き、もう一度髪を整える。



これが、私の毎朝のルーティーン。




「行ってきます!!!」


そう言って、電動自転車に片足をかけた私は、坂を降り坂を登り、県内偏差値ナンバーワンの高校へいつも通り急いで行くのだ。




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