いちばん星の独占権
駅まで歩くの、この調子じゃ、つらいかも……って思ってたから、とありがたくりんくんの提案に乗ろうと思ったのだけど。
『そういうことなら、俺が送るけど』
『あ゛?』
『俺が、ほのかちゃんのこと、送るけど』
バチッと火花が散ったような気がした。
なるちかくんと、りんくんの間に。
……たぶん、気のせいだと思う。
『お前、ほのかの家がどこかもわかんねえくせに』
りんくんの少しトゲっぽい言葉に、なるちかくんがぴくりと眉を動かした。
『まあ、そーだけど』
なぜか、なるちかくんは一歩も引き下がらなくて。
わたしのことを保健室に連れてきてくれたのは、なるちかくんだったから……律儀に責任感でも感じてくれていたのかもしれない。
そんななるちかくんにりんくんは、これまたなぜか、ガン飛ばしていた。
『三上、最近急にうぜえ』
『はは、うん、自覚あるよ』
『……そーいうとこだろ』