いちばん星の独占権



保健室のなかの空気が、突如ぴりぴりし始める。


どうしてこんなことに……とベッドの上でおろおろしていると。


わかった、とりんくんが口を開いて、わたしを顎で指した。




『……?』

『ほのかが選べよ』

『えっ? なに、を……?』


『こいつか、俺か』




────それで、わたしが選んだのが、りんくんだった、ということだ。




『えと、じゃあ、りんくんで』と指名したとき、妙にりんくんが勝ち誇った顔をしていて、妙になるちかくんは拗ねたような顔をしていたのが気になるけれど……。



なるちかくんは、そのあと、『残念』って言ってた。

なぜかほんとうに残念そうな顔をして。





だって、なるちかくんにはずっと付き添ってもらっていたのに、家までも送ってもらうなんて、申し訳ないし、迷惑かなって。



その点りんくんは、家の方向が同じだし、幼なじみだもの、困ったときはお互いさまというか……それだけ、なんだけど。





「……あれ、りんくんの自転車ってこんなだったっけ」





ふと、銀色の車体が目に入ってきて、思う。

たしか、りんくんの自転車は黒色だったような……。



ちなみに、ほんとうは、自転車じゃなく俺は一刻もはやくバイクに乗りたいんだと新しい自転車を買ったときにぼやいていた覚えがある。





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