いちばん星の独占権


やっぱり、そんなことないはず。

きっぱりと否定すると、少し黙りこくったれーちゃん。


そして。




〈 あはっ、なるほどねえー、理解理解 〉

「な、なにっ?」


〈 ほのかといるときのなるちかくんは “素” ってことだ 〉

「す……?」


〈 なるちかくんがよく笑うのは、ほのかの前だからなんだよ 〉




ひとり、納得したようでれーちゃんは、うんうん、としきりに頷いている。

その間、わたしは理解が追いつかないまま。




〈 ともかく、ほのかは期待しても、いいと思う 〉

「期待は、できない、けど……」




好きでは、いようと思う。



りんくんに諭されて、れーちゃんと話していて、気づいた、もう引き返せないところまできていて、それをわたしは受け入れなくちゃいけないんだって。


なるちかくんが、とってもとっても、好きなこと。




もう一度、星のペンダントを見つめる。

スイッチを入れていなくて、ライトがひかってもいないのに、ぴかぴか耀いているように見えるから、不思議だ。



同じなの。




甘くて、痛くて、切なくて、一筋縄じゃ、ぜんぜんいかなくて。

頭のなかがすぐにぐちゃぐちゃになってしまうのに、なるちかくんを好きだと思うこの恋心は、いつも胸のどまんなかできらきらと、ちかちかと、瞬いて、光を放っている。



わたしの、たいせつな宝物。





〈 んふふ、ほのかと恋バナできるなんてね、こういう話ずっとしてみたかったから、うれしかった 〉






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