いちばん星の独占権



「わたしも、うれしい……ふああ」



くあ、とあくびがこぼれる。
夜ふかしもそろそろ限界みたいだ。


あ、そういえば。




「あの、れーちゃんの好きなひとって、どんなひと?」

〈 えー、気になるー? 〉


「気になるよ」

〈 じゃあ、ほのかにだけのヒミツね 〉


「ふふ、わかった」




〈 ──── 一生不毛な片思いをしてる、マヌケで馬鹿なあほ 〉




「……。え、と」



〈 どこがいいの、って思ったでしょ。……それは、ほのかにも、ひみつ! 〉




ええ、教えてくれたっていいのに。
でも、れーちゃんの恋が叶うといいな、と思う。


そのどれも、声にする前に睡魔がおそってきて、れーちゃんの声がぐっと遠のいた。





〈 おやすみ、ほのか 〉





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