いちばん星の独占権
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- side 佐野麟太郎 -
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『いつから? そんなの知らねえ忘れた』
ほんとうは、ちゃんと覚えている。
そんなもん、最初からだ。
枢木ほのかに出会った日のことを俺は、ずっと、鮮明に覚えている。きっと、ほのかは忘れてしまったんだろうな。そう思うと、普通にムカつく。あーあ、どうせあの金髪野郎と今頃一緒にいるんだ。
────いいけど。
ほのかが笑っているなら、俺は、正直なんだっていい。
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꙳ ︎
俺は物心ついたときからこんなだから、物心ついたときから周りから少し……いや、かなり浮いていた。
大人しくお行儀よくしていることができなかった。
まわりに合わせることも苦手だった。
それを克服しようとも思わなかった。
もともとひねくれていた性分が、そのせいで、友だちもうまくつくれなくて、さらにひねくれた。
幼いながらに “荒れて” いたんだと思う。
自業自得って言われればそれまでだ。
でも、そこから抜け出す方法も、わからなかった。
「あー! りんたろー! またひとりぼっちー!」
「ウルセエバーカ!!!」
「りんたろーはおともだちいないもんねー!かわいそうだから、れーながあそんであげてもいいよ!」
「オマエもぼっちのくせに!!!」
「っ、うわあああんりんたろがひどいごどい゛っでぐるー!!!」
ことあるごとによくわからない絡み方をしてくる玲奈をのぞいて、ほんとうに、まわりには人がいなかった。
暴言を吐いて、それで玲奈がびーびー泣いて、それの繰り返し。
俺もひん曲がっていたから、誰かとまともな会話ができたことがなかった。居場所がなかった。みんな嫌いだった、学校も嫌いだった。自分が悪いとわかっていても、俺を避ける同級生も、俺を叱りつける先生も。