いちばん星の独占権



そんな負の連鎖のなかにいた俺に、そっと手を差し伸べてくれたのが、ほのかだった。



────「あの、こっち来て、あそばないの?」

「なんだよオマエ誰だよ」

「えっと、みんなで遊んだほうが、たのしいよ?」




名前は教えてくれなかったけれど、名札にはくるるぎほのか、と書いてあった。ひらがなは読むことができた。

ほのか、と名前を頭のなかでなぞる。



「いやだ俺はいかない。みんな俺のことキライだし、俺もみんなのことがキライだ」

「ええ? そんなことないよ」

「あるんだよバーカ!!!」


「……でも、わたし、きらいじゃないもん。ええと……うーんと、りんのすけくんのことっ」

「りんたろうだ!まちがえんな!」


「りんた……?」




< 313 / 315 >

この作品をシェア

pagetop