いちばん星の独占権
そんな負の連鎖のなかにいた俺に、そっと手を差し伸べてくれたのが、ほのかだった。
────「あの、こっち来て、あそばないの?」
「なんだよオマエ誰だよ」
「えっと、みんなで遊んだほうが、たのしいよ?」
名前は教えてくれなかったけれど、名札にはくるるぎほのか、と書いてあった。ひらがなは読むことができた。
ほのか、と名前を頭のなかでなぞる。
「いやだ俺はいかない。みんな俺のことキライだし、俺もみんなのことがキライだ」
「ええ? そんなことないよ」
「あるんだよバーカ!!!」
「……でも、わたし、きらいじゃないもん。ええと……うーんと、りんのすけくんのことっ」
「りんたろうだ!まちがえんな!」
「りんた……?」