一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


そう言って彼は過去を話し始めた。











幼少期は田舎で母親と2人で暮らしていた事

死んでいたと思い込んでいた父親がある日訪ねて来てから生活が一変したという事

母親は彼を育てる為に必死に働きすぎて心労が祟り病に倒れてしまった事

それからは父親に引き取られ、都会に越してきた事

しかしそこでの生活は地獄のような日々で〝愛人の子〟だと周囲から蔑まれて過ごしてきた事

中学の頃、最愛の母親が亡くなってしまった事

自由を手に入れたい一心で入社早々に海外への赴任を受けた事

そして3年を経て現在に至る事















煩くも温かい家族に囲まれて育った私にはあまりにも想像のつかない事ばかり。


ただ、私にも分かる事は彼はただ生きるだけでも必死だったという事だけだ。







そして何も知らなかったとはいえ、知らず知らずのうちに彼を傷つけていたのだと思い知らされた。


彼はいつも優しく穏やかに笑っていたけれど、本当は辛くて泣きたかったのかもしれない。











「っ、、っふ、、!」




そう思うと流れる涙を止める事は出来ない。



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