一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
真剣な彼の横顔に釣られて私も頭を下げた。
「「またいつでも2人で帰っておいで。」」
父と母の優しい言葉が重なって2人して顔を上げると互いの顔を見合ってから笑顔で声を上げた。
「うん!」
『はい!』
「じゃあ、また来るねっ!」
玄関まで見送ってくれた2人に別れを告げて、外へと出た。
すると途端にふーっと深い溜息が聞こえた。
『久しぶりの勢揃いでさすがに緊張していた糸が切れました。反対されなくて本当に良かったです。やっぱり少し不安ではありましたので。』
「暁人くんは不安になる事なんてないよ。どちらかというと私の方が緊張してたもん。暁人くんに相応しくないー!文句言われるかもって思ってたし。」
『そんな事ある筈ありません。ここに来る度に本当に幸せに気持ちになります。俺は幸せ者です。あまりにも幸せ過ぎてどうにかなにそうです。』
そう言って優しい表情を浮かべる彼が可愛くて愛しくて、つい笑みがこぼれる。
すると目があった彼が少し不貞腐れて俯く。
『子供っぽいって思いましたか?これだから年下は、、と。』