一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


靴を履き終え2人手を繋いで玄関のドアに手を掛けた時、パタパタと足音が聞こえる。

振り返ると父と母の姿が。












「ごめんね?紗江。嬉しくて、少しはしゃぎすぎちゃったわ。からかうつもりじゃなかったのよ。きっとみんなもそうだと思うの。ただ、暁人くんがホンモノの家族になるのを昔から楽しみにしてたから。早とちりしゃってっ。」

「うん、、分かってるよ。家族皆んなが暁人くんの事が大好きなのは昔から知ってる。私達はまだ恋人同士になったばかりだけど、、ゆ、ゆくゆくはそうなれたらいいなって思ってるからっ、、!ゆっくり見守ってくれたら嬉しい、、。また2人で来るね?」

「っ、、ええ!待ってるわ!」










少し申し訳無さそうに声を掛けて来た母と言葉を交わすとホッとした顔をした。

そしてとても優しい表情をして彼の方に向き直った。






「、、暁人くんも。騒がしい我が家でごめんね?でもとっても嬉しかったわ。外見じゃなくてしっかりと中身を見てくれる子が紗江を好きになってくれる日をずっと待ってたから。ふふっ、あの約束まであと少しかしら?頑固で口煩い所もあるけど紗江の事、、宜しくね?」

『はい、、近いうちに約束を果たしに参りますので、その時は今日同様に清彦さんもいて下さると助かります。』

「勿論だよ。その時はどんなに忙しくても帰ってくるよ。」









父と母にそれぞれ言葉を交わすと深々と頭を下げた彼。

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