一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
「っ、、すみません!私の不注意でっ、、!」
ぶつかってしまった人物に慌てて謝罪をすると久しぶりに聞く懐かしい声が耳に響いた。
「大丈夫だよ、柏木さん。俺の方こそ横見してたからごめんね。怪我はない?」
眉を下げ優しく微笑んでくれるのはかつて好きだった人。
「的場さん!?本当にすみませんっ!!!!」
「全然いいよ。それにしても、なんだか久しぶりに会ったね?同じ会社にいるのに。」
「本当ですね。お元気でしたか?」
「元気元気!相変わらず海外事業部は人手不足だから忙しいけどな。」
私の不注意でぶつかってしまったのに優しい笑みで対応してくれる的場さん。
物腰の柔らかさや穏やかな話し方は変わらない。
それなのに以前のような気まずさやトキメキは全くなくて、それが綺麗さっぱりと終わった恋だと教えてくれる。
寧ろ、今思えば恋というよりも憧れに近いものだったようにも思う。
恋人がいると分かって直ぐに諦める事ができたのがいい証拠だ。
もし今、彼に別に好きな人が出来たからと別れを告げられても直ぐには諦められないと思う。
もがいて足掻いて、それでも駄目だったとしてもきっと彼を想い続けるだろう。
それくらい私の中で彼という存在は大きい。