一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
それから少しずつ、目線が私から高くなっていった。
最後に背比べをしたのは、彼が大学を卒業した日でその日を境に彼がうちへと遊びに来る事もなくなり彼との不思議な背比べもなくなった。
それからは彼とは疎遠で県外に就職したんだと勝手に思い込んでいたが、まさか同じ会社に就職していてその上海外に赴任中だったなんて。
まさに寝耳に水だ。
しかも海外にいた名残なのか、会社だというのにスキンシップも激しい。
昔はそんな事なくて、どちらかというとシャイな印象だった彼。
周りの同僚のヒソヒソとした声にハッとなって慌てて彼から距離を取る。
そして一呼吸おいてから表情を引き締め彼を見つめる。
「片瀬君、思い出話は終業後に。初日から就業時刻すぎても席についてないなんて社会人失格よ。今日からでしょう?ほら、席に戻って。」
少しキツイ言い方だけど、こうでも言わないと期待されて栄転してきたのに印象が悪くなってしまう。
だから心を鬼にして冷たく言い放つ。
すると彼は目を細め、柔らかく微笑んでからゆっくりと頭を下げた。
『再会が嬉しすぎてつい、、。以後気をつけます。引き留めてしまってすみません。』