一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
少し申し訳なさそうに顔を上げる彼を見るかぎり、私の想いがちゃんと伝わったで良かった。
ホッと胸をなでおろしていると、営業課の部長のの声が部署に響く。
「おーい、今日からうちの部署に配属になった奴を紹介するぞ。片瀬〜、前に来なさい。」
その鶴の一声で、彼を取り囲んでいた同僚達は散り散りにそれぞれの部署へと戻っていく。
「じゃあ、頑張ってね。」
最後にそう声を掛けてから私もその場から離れた。
庶務課に戻って席につくと、すぐさま隣からじっとしりとした視線が。
最初は気付かないフリをしていたが、あまりにも視線が痛すぎて仕事に集中できない。
仕方なく〝事情聴取はお昼に〟と付箋に書いて隣のデスクに貼り付ける。
すると途端に視線がなくなり、隣からパソコンを叩く音が聞こえ始め一安心する。
私も今日の仕事に取り掛かる。
暫くすると隣の部署から拍手の音が聞こえ、隣の部署にチラリと視線を向けると何故か彼とガラス越しに目が合う。
その彼からの熱い視線にドキッとして慌てて視線を逸らす。
余程心細かったのか、それとも知り合いがいて嬉しかったのかその後も何度か視線を感じた。