一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
そして彼女の方が先に口を開いた。
「決めたんだね。」
「え、、?」
「顔を見れば分かるよ。覚悟を決めた目をしてる。」
「、、うん。」
言わなくとも分かってくれた親友に表情が緩む。
すると立ち上がって困ったように笑った。
「紗江が悩んで悩んで悩み抜いて出した答えだよね。でもね?私も葛藤してたよ。」
「え?真由ちゃんも?」
「だってあの日から紗江は心から笑ってなくて、紗江が頑張って笑えば笑うほど泣いているように見えてた。それが、、物凄く辛かった。」
「真由ちゃん、、。」
「彼から任された以上、紗江の今の生活を守るのが紗江の為だって言い聞かせてきたけど分からなくなってきた。きっと彼にだって紗江の1番の幸せが何かなんて分からない筈でしょう?だって紗江の幸せは紗江自身しか分からない事だもの。そうでしょう?!」
「うんっ、、。」
困った顔から泣きそうな表情になっていく真由ちゃんに釣られて涙腺が緩む。
「だから紗江の為にも背中を押してあけなきゃって思ってた!思ってたけどっ、、、私っ、、寂しくてっ、、っ、、。」
「っ、、!」