一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》
「そう?じゃあまた週明けに来るね!もし何かあったら遠慮なく呼んでいいからね?休みだけど特に予定もないから。」
「本当にいつもありがとうございます。じゃあその時は、遠慮なく呼ばせていただきます!」
「うん!じゃあ綾ちゃんもくれぐれも無理しないようにね?慎一も!ちゃんとフォローしてあげないとダメだからね!」
「りょーかい。じゃあ、、頑張って。」
玄関先まで見送りにきた2人それぞれに声を掛けてドアノブを握ると、先程まで隣で黙り込んでいた彼に突然手を握られ彼の方へと引き寄せられた。
『慎一、色々とありがとうございます。後は自分でどうにかします。もう、あの頃みたいに縛られるものは何もありませんから。』
「、、あの頃も別に縛るものなんて無かったけど。自分で勝手にルールみたいなの作って縛ってただけで。まぁ、健闘を祈る。一筋縄ではいかないと思うけどな?なんせ自覚もなけりゃど天然だから。」
『、、でしょうね。でもそんな所もどうしようもなく可愛くて仕方ありません。』
『あーはいはい。そりゃ良かったな。弟しては複雑だけど。』
突然な事にパニックになる私を他所に、2人は2人にしか分からない会話をしながら楽しそうに笑っている。