一途な彼は真面目で純粋で歳下で。《完結》


一瞬だけ寂しそうな表情をした彼を見て、なんだか放って置けなくてそう声を掛けると困ったように笑った。






『、、優しさに漬け込んですみません。でもお言葉に甘えます。また紗江さんの手料理、食べに来てもいいですか?』

「うん!勿論だよ。」

『ありがとうございます。これ片付け終わったら帰りましょう。時間も遅いですし危ないので送ります。』

「大丈夫だよ〜。こんな巨漢女なんてだれも目に止めないって。」

「そう言わず暁人に送ってもらいなよ。俺は送れないしここら辺、最近物騒だから。呼びつけておいて帰りに姉貴になんかあったら気分悪いだろ。」

「そうですよ!お姉さんはご自分の魅力に気づいてないのかもしれないですけど、そういう無自覚な人が1番危ないんですっ!!1人で夜道を歩くなんて以ての外です!!!!」

「そ、そうなの!?昔はそんな事なかったけど、、最近そうなら送ってもらおうかな。」





いつもはニコニコと穏やかな綾ちゃんが、珍しく声を上げた事に驚きつい頷いてしまう。


そんな私の返答に満足したのか、いつもの綾ちゃんに戻った。





「はいっ。そうされて下さい。今日も本当にありがとうございました。明日は皆んなお休みですから大丈夫だと思います。お姉さんもお疲れでしょうから明日はゆっくり休まれて下さい。」

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