心がささやいている
それは、傍から見ていてもランボーが彼女に懐いていると分かる光景だった。
互いに心を通わせるように見つめ合い、穏やかな微笑みを浮かべている咲夜に、辰臣と颯太はいつしか自然と口を閉ざし、その様子を静かに見守っていた。
「な?あのランボーが、珍しいだろ?」
「そう、だな」
自分だけに聞こえる程度の声量で、どこか誇らしげに辰臣が言った。
確かにランボーは結構な人見知りだ。
自分は昔から辰臣の傍にいたので、ランボーとの付き合いは長いし平気なのだが、自分たち以外で同様に懐いてる者となると簡単には思い浮かばない程に難しい。この救済センターに最低でも週一で顔を出す動物の扱いに慣れた、ある意味この道のプロである知り合いでさえも、ランボーは簡単に心を開いたりはしなかった。流石に吠えたり怯えたりする程ではないが、未だに距離を取って離れて様子を見ている感じだ。
そんなランボーが自分から近寄って行くのだ。彼女がどんな人物なのかは未だ定かではないが、ある意味貴重な存在であるということだけは認めざるを得ない。
それに、ちょっと意外だった。
(あんな顔も、出来るんだな…)
穏やかに微笑む咲夜に、思わず目を奪われる。
自分が彼女のことを知ったのは辰臣から話を聞いた昨日からで、実際に自分で認識したのは今日学校からだ。男にモテるようで、以前噂で話には聞いたことがあったのだが、彼らが話していた彼女のイメージと自分の見解は少し違ったものになった。
先程、帰り道に声を掛けた時の反応といい、ランボーと戯れている現在の様子といい…。
(みんな見た目だけで、かなり勝手な理想を抱いてんじゃないのか?)
互いに心を通わせるように見つめ合い、穏やかな微笑みを浮かべている咲夜に、辰臣と颯太はいつしか自然と口を閉ざし、その様子を静かに見守っていた。
「な?あのランボーが、珍しいだろ?」
「そう、だな」
自分だけに聞こえる程度の声量で、どこか誇らしげに辰臣が言った。
確かにランボーは結構な人見知りだ。
自分は昔から辰臣の傍にいたので、ランボーとの付き合いは長いし平気なのだが、自分たち以外で同様に懐いてる者となると簡単には思い浮かばない程に難しい。この救済センターに最低でも週一で顔を出す動物の扱いに慣れた、ある意味この道のプロである知り合いでさえも、ランボーは簡単に心を開いたりはしなかった。流石に吠えたり怯えたりする程ではないが、未だに距離を取って離れて様子を見ている感じだ。
そんなランボーが自分から近寄って行くのだ。彼女がどんな人物なのかは未だ定かではないが、ある意味貴重な存在であるということだけは認めざるを得ない。
それに、ちょっと意外だった。
(あんな顔も、出来るんだな…)
穏やかに微笑む咲夜に、思わず目を奪われる。
自分が彼女のことを知ったのは辰臣から話を聞いた昨日からで、実際に自分で認識したのは今日学校からだ。男にモテるようで、以前噂で話には聞いたことがあったのだが、彼らが話していた彼女のイメージと自分の見解は少し違ったものになった。
先程、帰り道に声を掛けた時の反応といい、ランボーと戯れている現在の様子といい…。
(みんな見た目だけで、かなり勝手な理想を抱いてんじゃないのか?)