心がささやいている
そんな率直な感想を伝えると、颯太は「だよなー」と苦笑を浮かべた。
「ここは救済センターって名前から判るように、ある意味仕事内容の線引きは曖昧でさ、簡単に言うと何でもありなんだよ。普通に動物の治療だけなら『動物病院』で良いんだろうが、あの人がやりたいことはそれだけじゃないからさ。その名の通り、動物を救う為の依頼なら何でも受けますってニュアンスでやってる、いわゆる動物関係の何でも屋なんだ」
「…本当に、動物が好きなんだね。でも…」
何気なく室内をバタバタ走り回ってる辰臣を見詰める。
「凄い人、だね…」
なんて心優しい人なんだろう、と改めて思う。
昔、ランボーに初めて会った時もそうだった。ランボーの辛さや痛みを、まるで自分のことのように受け止めて一緒になって心を痛め。その小さな命を守るために本当に一生懸命だった。
「それ、辰臣さんに言ってやってよ。きっと喜ぶから。ま、それに見合った報酬さえ貰えれば何だってやるし俺だって文句はないんだけど、如何せん、あの人はお人好し過ぎて仕事として成り立ってないのが問題でさ。ボランティアじゃ飯食ってけねぇっての」
腰に手を充てて呆れたように溜息を吐く颯太に、咲夜は何処か微笑ましいものを感じて、思わずクスリ…と笑った。
「そうなんだ…。でも、だからこそ放って置けないんだね」
「まあ、な」
年上の幼なじみが心配で仕方ないのだと顔に書いてある。照れているのが目に見えて分かった。
そんな風に人の表情から気持ちを汲むことが、こんなにも温かな気持ちにさせてくれるなんて思ってもみなかった。暫く忘れていた感覚だった。
だからと言って、表面上に現れているものが全てでないことを痛い程に知っているけれど。
「ここは救済センターって名前から判るように、ある意味仕事内容の線引きは曖昧でさ、簡単に言うと何でもありなんだよ。普通に動物の治療だけなら『動物病院』で良いんだろうが、あの人がやりたいことはそれだけじゃないからさ。その名の通り、動物を救う為の依頼なら何でも受けますってニュアンスでやってる、いわゆる動物関係の何でも屋なんだ」
「…本当に、動物が好きなんだね。でも…」
何気なく室内をバタバタ走り回ってる辰臣を見詰める。
「凄い人、だね…」
なんて心優しい人なんだろう、と改めて思う。
昔、ランボーに初めて会った時もそうだった。ランボーの辛さや痛みを、まるで自分のことのように受け止めて一緒になって心を痛め。その小さな命を守るために本当に一生懸命だった。
「それ、辰臣さんに言ってやってよ。きっと喜ぶから。ま、それに見合った報酬さえ貰えれば何だってやるし俺だって文句はないんだけど、如何せん、あの人はお人好し過ぎて仕事として成り立ってないのが問題でさ。ボランティアじゃ飯食ってけねぇっての」
腰に手を充てて呆れたように溜息を吐く颯太に、咲夜は何処か微笑ましいものを感じて、思わずクスリ…と笑った。
「そうなんだ…。でも、だからこそ放って置けないんだね」
「まあ、な」
年上の幼なじみが心配で仕方ないのだと顔に書いてある。照れているのが目に見えて分かった。
そんな風に人の表情から気持ちを汲むことが、こんなにも温かな気持ちにさせてくれるなんて思ってもみなかった。暫く忘れていた感覚だった。
だからと言って、表面上に現れているものが全てでないことを痛い程に知っているけれど。