100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
「ただ眺めてただけだろう」
と言ったのだが、

「でも、細かい計画表作ってましたよ。
 社内の友だちと行く話ではなかったみたいですが」
と内藤は言う。

 ……お前、ほんとっうに、あやめをよく見てるな、と思いながら、不安になる。

 誰と行く気だ、あやめ。

 内藤がそういうからには、グループで行く感じの計画ではなかったのだろう。

 二人で泊まる露天風呂付き離れとかか?

 などと、いろいろと妄想が止まらなくなり、落ち着かなくなる。

「では、失礼します」
と内藤は言いたいだけ言って、出て行こうとした。

 おい、こら待て、内藤っ。

 お前、秘書として失格だろうっ。

 上司の集中を乱しておいて、さっさと去るとかっ。

 まあ、それを言うなら、もっとも俺の心をかき乱すあやめが一番失格だがなっ、
と思いながらも、上司として、平静を装っていたので、なにも言えなかった。
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