100-3は? ~なにもかも秘密な関係~



 あやめの部屋を飛び出した勢いで、基は遠い自分の部屋まで早足で歩く。

 あやめの部屋を自分の部屋と離したのは、こんなときのだめだったのかもな、と今になって思っていた。

 自分があやめに無理じいして、迫ってしまったりしないように。

 引き返したくなっても、歩いているうちに、使用人とかに出会って、理性を取り戻せるように。

 基は部屋に入り、扉を閉める。

 あやめの腕に触れて濡れたおのれの手を見た。

 しっとりとしたあやめの肌に触れた感触を思い出したところで、ようやく我に返り、思う。

 そういえば、告白しそびれたな―― と。




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