100-3は? ~なにもかも秘密な関係~
「だって、これ、一万近く入れてもなにも出ないじゃないか。
 俺は、なんでもお前の願いを叶えてやると約束したのにっ」

 ひーっ、声大きいですーっ。

 っていうか、店員さんもこっち、じっと見てるじゃないですかっ
とあやめがハラハラしていると、店長らしき人がやってきた。

「……少し、動かしましょうね」

 一万も突っ込んだのを哀れに思ってか、景品を動かしてくれて。

 そして、たぶん、アームも少し調節してくれた。

 無事に、ころん、とお掃除ロボの箱が落ちる。

「よかったな、あやめ」
とお掃除ロボットの入った箱を基に渡される。

「よ、よかったです。
 いろんな意味で。
 さあっ、帰りましょう、専務っ」
とあやめは早口に言い、基の手を引くと、急いで店を出た。






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