旦那様は内緒の御曹司~海老蟹夫妻のとろ甘蜜月ライフ~

『ずいぶん贅沢なお誕生パーティーですね……』

 思ったことをそのまま口に出すと、佑香さんは『ええ』と嬉しそうにうなずく。

『だからこうして蟹江さんにお願いに上がったんです。私ひとりで企画するより、イベント会社のプロの方にも協力してもらった方が、素敵なパーティーになると思って』
『でも、こんな金額どこから……』
『ご心配には及びません。費用はこちらですべて負担しますから。あ、そういえばお話していませんでしたね。私、鷹取物産の社長の娘なんです。うちのパパとたっくんのお父さんは友達で、子どもの頃から私と彼は許嫁の関係だったんですよ』

 鷹取物産……って、あのエリートばかりが勤める総合商社の!? しかも、佑香さんは社長令嬢……!?

 口をあんぐりと開けて固まる私に、佑香さんはさらに驚くべき事実を告げる。

『たっくんはガンベロの次期社長ですから、私たちが結婚すれば、ますます互いの会社が発展するに違いないと、父たちも楽しみにしているんですよ』
『ちょ、ちょっと待ってください! 隆臣が、ガンベロの次期社長……?』

< 119 / 151 >

この作品をシェア

pagetop