旦那様は内緒の御曹司~海老蟹夫妻のとろ甘蜜月ライフ~
「おかしいな……。カニにキュンとするなんて。彼シャツ効果か?」
「なになに、私にキュンとしたって?」
まだ酔いの覚めない私は、エビをからかってやろうと思い立って、ソファに近づくとぴょんと彼の体に跨って座った。それからずいっとエビの顔を覗き込む。
「……ふふ、ドキドキした? なーんて、ありえないか。私たち性別を超越した仲良し同期だもんね」
悪戯っぽく微笑んだ私を、エビはなぜか鋭い眼差しでじろりと睨んだ。
あれっ……? なんか、怒っていらっしゃる?
「お前さぁ……いくら俺が気心の知れた相手だからって、そういう格好でむやみに接近すんなよ」
「そういう格好って……これ?」
Tシャツを引っ張って問いかけると、エビは私から視線をずらして答える。
「それもだけど……お前、下着つけてないだろ」
「えっ?」
そう言われてみれば……エビが着ていた服を洗ってくれると言うから、ブラとパンツも一緒に洗濯機に投げ込んで、今夜はTシャツ一枚で寝ちゃえ、なんて思っていたからノーブラノーパンだ。