旦那様は内緒の御曹司~海老蟹夫妻のとろ甘蜜月ライフ~
大丈夫! エビと私の友情はそんなことで壊れたりしないよ! ちゃんとした服に着替えていつものように「おはよう」って言えば、エビも普段通りに話してくれるはず……!
自分を奮い立たせながら昨日着ていた服に袖を通し、リビングへ向かった。
そっとドアを開けるとケーキのような甘い香りに鼻をくすぐられ、私はその香りに誘われるようにしてアイランドキッチンに向かう。エビはそんな私にすぐ気がついて。
「お、やっと起きてきたか。だいぶ飲んだけど二日酔いは平気か?」
だいぶ飲んだのは彼も同じだというのに、朝からフライパンを片手に爽やかな空気を漂わせながらそう言った。昨夜の気まずさを引きずっている様子もないので、私はホッとして答える。
「うん。ちょっと頭が重いくらい。なに作ってるの?」
「スフレパンケーキ」
「うそっ。お店みたい!」
思わずキッチンのエビが立っている側にまわってIHのコンロを覗くと、厚さ四センチはありそうなきめの細かいパンケーキが、フライパンの上でふわふわに膨らんでいた。