旦那様は内緒の御曹司~海老蟹夫妻のとろ甘蜜月ライフ~
ほとんどやけくそで料理もお酒も次々注文し、それから思い切り飲んで食べて、時間が経過するにつれ私はすっかり酔っ払いと化していた。
「別にさ、社内の人間を好きになるなとは言わないよ? でも、上司である私の気を引きたいんならまずちゃんとした企画書持ってこいっつーの!」
ゴンッ!と激しい音を立て、空になった焼酎のグラスをテーブルに置く。エビは黙ってそれを回収し、新たな水割りを作ってくれる。いちいち店員を呼ぶのが面倒なので、途中からボトルのお酒に切り替えたのだ。
「そんなにひどかったのか? 千葉ってヤツの企画書」
エビは話しながら水割りの仕上げにくし切りのレモンを入れて、グラスを私に差し出す。
「ひどいもなにも、エビが前に考えた企画書の丸パクリなんだもん。同期の私の目をごまかせるわけないでしょ? 本当ならもっとじっくり向き合って説教してやりたいところなんだけど、あの子とふたりきりになんかなったらなにされるかわかったもんじゃないし……」