旦那様は内緒の御曹司~海老蟹夫妻のとろ甘蜜月ライフ~

 気心の知れた同期――それ以上でもそれ以下でもなかった頃の自分たちが見たら、羞恥で死んでしまいそうな光景だな。そんなことを考えると、思わずふっと笑みがこぼれた。

「な、なに笑ってんの……? 私、そんな変な体だった? もしかして、萎えた……?」

 泣きそうな顔でそんなことを聞いてくる理子が、いじらしくてたまらなかった。

 お前……いつの間にそんな好きなってくれてんだよ、俺のこと。

「……んなわけあるかよ。こんなにうまそうな体を前に」

 そう言いながら彼女の脚を掴んで膝を立てさせ、はらりと捲れたスカートから露わになった太ももに、チュッとキスをした。

 小さく震えた彼女の顔を横目で伺うと、目が合った瞬間理子は真っ赤になり、両手で顔を覆った。

「~~~っ! だめ、もう恥ずかしい」
「お前さ……さっきからそういう反応、全部逆効果だから」
「へっ?」
「余計に恥ずかしがらせたくなる――っつってんの」

 低い声で宣言すると、俺は余計なお喋りをやめ、愛撫を再開した。理子の反応を窺いつつ、丁寧に丁寧に、彼女の心と体を開かせる。

 そして理子の方に〝恥ずかしい〟なんて感情をはさむ余地もなくなった頃、俺はゆっくり彼女に入っていった。

 その瞬間はもう、筆舌に尽くしがたい感動があって。

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