旦那様は内緒の御曹司~海老蟹夫妻のとろ甘蜜月ライフ~
「なんかもう……死んでもいいって感じ……」
汗ばむ体をぎゅっと密着させて、彼女の耳元に囁く。すると理子が微かな声で呟いた。
「……ばか、死なないでよ。……ひとりにしないで」
けなげで可憐な彼女の言葉に、ときめきを覚えずにはいられなかった。
「あーもー……かわいすぎ」
「い、いちいち言わないで」
「やだ。言う。かわいいし……好き」
改めて告白し、理子にキスをする。彼女も俺の気持ちに応えるようにして、何度も俺の唇を求めた。
一カ月で彼女を手放すなんて、今となっては考えられない。理子だってきっと、同じ気持ちでいてくれているはず。
……このまま本当の夫婦になってしまえばいいんだ。きっかけはなんであれ、俺たちはこんなに愛し合っているのだから。
快楽に溺れ、熱に浮かされた頭の中で、俺はぼんやりそんなふうに思っていた。