愛され秘書の結婚事情*AFTER
「うぉおおおおお、嘘だろーーー!」
「えーっ、嘘――っ、信じられないぃいいいっ」
「えーっ、常務と佐々田さんがーっ!? すごーいっ、びっくりぃ~~~」
反応は様々だったが、全員が仰天驚愕したことだけは、間違いなかった。
「えっ、じゃあ、佐々田さんにティファニーを贈ったのは、桐矢常務なんですか!?」
「うん、そうだよ」
「えーっ、プロポーズはどちらからですか!?」
「もちろん僕からだよ」
悠臣が笑顔で答えると、女性陣から「きゃあああっ」と悲鳴に近い声が上がった。
「どうして今頃になって公表を!?」
一人の声に、七緒はドキリと鳴った心臓を押さえた。
しかし悠臣の方は落ち着いていた。
「発表が遅れて申し訳ない。実は三月の彼女の誕生日前にプロポーズしたんだが、その後、お互いの両親の了承を得るのに、少々時間が掛かってしまってね」
この場にいない双方の親を言い訳にして、悠臣はニコニコしながら演説を続けた。
「また、僕自身もなかなか言い出し辛くてね。何しろ長らく独身主義を気取っていたからね。今さらこの年でやっぱり結婚しますなんて、とても気恥ずかしくて……」
「悠臣さん……」
この場になっても、あくまで自分を庇う発言をする悠臣を見て、七緒の心から急に緊張の色が消えた。
「ち、違うんですっ!」
マイクを持たないまま、七緒は叫んだ。
その澄んだ高い声は、食堂にいる全員に届くのに、充分な大きさだった。
「悠臣さんは、全然悪くないんですっ。私が、私の方が、なかなか皆さんに、お伝えする勇気が出なくて……」
隣に立つ悠臣のジャケットの袖を軽く掴み、七緒はうつむいたまま、言った。
「私みたいな普通の女が、こんな素晴らしい、素敵な人の婚約者だなんて……絶対に、失望されるだろうって、思っていて……。私のせいで、常務まで笑い者になったらって、そう思って……」
沈痛な面持ちで真実を告白し、七緒は「ごめんなさい……」と詫びた。
どんどん声のトーンを落とし、どんどん顔をうつむかせる七緒を、けれど、一つの声が救った。
「えーっ、嘘――っ、信じられないぃいいいっ」
「えーっ、常務と佐々田さんがーっ!? すごーいっ、びっくりぃ~~~」
反応は様々だったが、全員が仰天驚愕したことだけは、間違いなかった。
「えっ、じゃあ、佐々田さんにティファニーを贈ったのは、桐矢常務なんですか!?」
「うん、そうだよ」
「えーっ、プロポーズはどちらからですか!?」
「もちろん僕からだよ」
悠臣が笑顔で答えると、女性陣から「きゃあああっ」と悲鳴に近い声が上がった。
「どうして今頃になって公表を!?」
一人の声に、七緒はドキリと鳴った心臓を押さえた。
しかし悠臣の方は落ち着いていた。
「発表が遅れて申し訳ない。実は三月の彼女の誕生日前にプロポーズしたんだが、その後、お互いの両親の了承を得るのに、少々時間が掛かってしまってね」
この場にいない双方の親を言い訳にして、悠臣はニコニコしながら演説を続けた。
「また、僕自身もなかなか言い出し辛くてね。何しろ長らく独身主義を気取っていたからね。今さらこの年でやっぱり結婚しますなんて、とても気恥ずかしくて……」
「悠臣さん……」
この場になっても、あくまで自分を庇う発言をする悠臣を見て、七緒の心から急に緊張の色が消えた。
「ち、違うんですっ!」
マイクを持たないまま、七緒は叫んだ。
その澄んだ高い声は、食堂にいる全員に届くのに、充分な大きさだった。
「悠臣さんは、全然悪くないんですっ。私が、私の方が、なかなか皆さんに、お伝えする勇気が出なくて……」
隣に立つ悠臣のジャケットの袖を軽く掴み、七緒はうつむいたまま、言った。
「私みたいな普通の女が、こんな素晴らしい、素敵な人の婚約者だなんて……絶対に、失望されるだろうって、思っていて……。私のせいで、常務まで笑い者になったらって、そう思って……」
沈痛な面持ちで真実を告白し、七緒は「ごめんなさい……」と詫びた。
どんどん声のトーンを落とし、どんどん顔をうつむかせる七緒を、けれど、一つの声が救った。