愛され秘書の結婚事情*AFTER
「…………」
気がつくと、収拾がつかないほどのカオスに陥った食堂内の状況に、思わず七緒と悠臣は無言で顔を見合わせた。
そこで悠臣の手からマイクを奪ったしのぶが、おもむろにマイクのスイッチを入れ、「全員、静粛にーーー静粛にーーー」と声を上げた。
「まあ、こうなるだろうことは、簡単に想像ついた! とりあえず、お二人の婚約はこれで、周知の事実となったわけでー。私らとしてはお二人の門出を祝して、今週末にお祝いの会を開く予定です! お二人からはその時に、たっぷりお話を伺うとしましょーっ」
「「え!?」」
その飲み会の話は初耳だった七緒と悠臣は、同時に驚き、同時に声を上げていた。
ベテラン女子会のメンバーは、驚く二人にニッコリと笑みを向け、「そういうわけで、お二人もちゃんと、予定を空けておいて下さいね」と、有無を言わせぬ迫力で言った。
「あ。今週末、桐矢常務に接待や会議の予定がないことは、小森室長に確認済みですので」
加代のソツのないフォローに、七緒も悠臣もただ、「ハァ……」と頷くことしか出来なかった。
「てことで、今からクジするよーーー。飲み会の定員は三〇名までー。場所は駅前の和風居酒屋、花提灯! 会費は一人五千円だからねーーー」
しのぶがそう言うと同時に、いつの間に用意したのか、仲間の一人がサッとクジの入った箱を取り出し、「参加希望の人は今からクジ引いてー。星印がついてたら当たりだよーーー」と言った。
「今週末―っ? イキナリすぎーーーっ」
「えー、でも私、佐々田さんの話聞きたいっ! どうやって桐矢常務を落としたのか、その裏技を教えて欲しいーーー」
「あーっ、それ私も聞きたい! ていうか、塚川グループの御曹司の連絡先を知りたい!」
「私もぉ! 電話番号は無理でも、ラ●ンIDだけでも知りたい!」
「お前ら、そんな不純な動機で参加するなよっ!」
「そうだぞ! 僕は純粋に、お二人を祝福したくて参加するんだから、当選倍率を無駄に上げるなよ!」
「あーあー。そこ、喧嘩しない! クジで公平に決着つけて!」
「……悠臣さん」
完全に涙も感動も渇いた顔で、七緒はまた悠臣の顔を見た。
「うん……」
悠臣もまた、彼女と同様に、狐につままれたような顔をしていた。
再び騒然となった食堂で、当事者でありながら完全に蚊帳の外に放り出された七緒と悠臣に、ベテラン女子会の一人が「あ、とりあえずお二人は、今日はもうお引取りいただいて結構ですよ」と、マネージャーのような口調で言った。
気がつくと、収拾がつかないほどのカオスに陥った食堂内の状況に、思わず七緒と悠臣は無言で顔を見合わせた。
そこで悠臣の手からマイクを奪ったしのぶが、おもむろにマイクのスイッチを入れ、「全員、静粛にーーー静粛にーーー」と声を上げた。
「まあ、こうなるだろうことは、簡単に想像ついた! とりあえず、お二人の婚約はこれで、周知の事実となったわけでー。私らとしてはお二人の門出を祝して、今週末にお祝いの会を開く予定です! お二人からはその時に、たっぷりお話を伺うとしましょーっ」
「「え!?」」
その飲み会の話は初耳だった七緒と悠臣は、同時に驚き、同時に声を上げていた。
ベテラン女子会のメンバーは、驚く二人にニッコリと笑みを向け、「そういうわけで、お二人もちゃんと、予定を空けておいて下さいね」と、有無を言わせぬ迫力で言った。
「あ。今週末、桐矢常務に接待や会議の予定がないことは、小森室長に確認済みですので」
加代のソツのないフォローに、七緒も悠臣もただ、「ハァ……」と頷くことしか出来なかった。
「てことで、今からクジするよーーー。飲み会の定員は三〇名までー。場所は駅前の和風居酒屋、花提灯! 会費は一人五千円だからねーーー」
しのぶがそう言うと同時に、いつの間に用意したのか、仲間の一人がサッとクジの入った箱を取り出し、「参加希望の人は今からクジ引いてー。星印がついてたら当たりだよーーー」と言った。
「今週末―っ? イキナリすぎーーーっ」
「えー、でも私、佐々田さんの話聞きたいっ! どうやって桐矢常務を落としたのか、その裏技を教えて欲しいーーー」
「あーっ、それ私も聞きたい! ていうか、塚川グループの御曹司の連絡先を知りたい!」
「私もぉ! 電話番号は無理でも、ラ●ンIDだけでも知りたい!」
「お前ら、そんな不純な動機で参加するなよっ!」
「そうだぞ! 僕は純粋に、お二人を祝福したくて参加するんだから、当選倍率を無駄に上げるなよ!」
「あーあー。そこ、喧嘩しない! クジで公平に決着つけて!」
「……悠臣さん」
完全に涙も感動も渇いた顔で、七緒はまた悠臣の顔を見た。
「うん……」
悠臣もまた、彼女と同様に、狐につままれたような顔をしていた。
再び騒然となった食堂で、当事者でありながら完全に蚊帳の外に放り出された七緒と悠臣に、ベテラン女子会の一人が「あ、とりあえずお二人は、今日はもうお引取りいただいて結構ですよ」と、マネージャーのような口調で言った。