愛され秘書の結婚事情*AFTER
でもね、と悠臣は続けた。
「せめて僕の前でくらいは、もう少し甘えてくれたっていいんだよ?」
「え……」
「君はストレスを、内に内にと仕舞い込んでしまう性格だから。今回の婚約のことだって、いつ公表すべきかって、ずっと悩んでいたでしょう?」
「はい……」
この人には、全てお見通しだな……と七緒は恥ずかしさに目を伏せた。
「ほら、また」
悠臣は手を伸ばし、うつむいた彼女の顎に手をかけて上向かせた。
男の手に顎を掴まれて、七緒はうつむくことも出来ず、赤い顔で視線だけ逃した。
「悠臣さん……離して下さい……」
「嫌だ。……そうだな。ここに座ってくれたら、この手は離してあげる」
そう言って悠臣は、ダイニングの椅子に座ったまま、自分の太腿をポンと叩いた。
「えっ……」
絶句した七緒は、けれど赤い顔で立ち上がり、テーブルを迂回して、男の膝の上に腰を下ろした。
「お」
「……これで、よろしいですか」
予想外の素直さに驚きつつ、悠臣は満足げな笑顔になり、膝の上の彼女の腰を掴んで横抱きにすると、その腰をしっかりと両手で包んだ。そしてほんのり湯上がりの香りが立つ、彼女の首筋に額を預ける。
「はっ、悠臣さんっ……」
「いいだろう、このくらい。ヤキモキさせられた罰だよ」
「……これは別に、私への罰にはなりませんけど」
「じゃあ僕へのご褒美ってことで。君がその気になるまで、婚約のことを内緒にし続けたんだからね」
「……はい。感謝しています。ありがとうございます」
七緒もそこで表情を緩め、男の頭を両手で包むように抱いた。
「待っていて下さって、ありがとうございました」
そう言って七緒は、自分から彼に口づけた。
そっと唇を触れ合わせるだけのキスを交わし、七緒ははにかんだ顔で微笑んだ。
「いつもいつも、あなたの存在が、私に一歩を踏み出す勇気をくれます。悠臣さんがいてくれるから、私は毎日頑張れるし、前を向いて生きることが出来ます」
「せめて僕の前でくらいは、もう少し甘えてくれたっていいんだよ?」
「え……」
「君はストレスを、内に内にと仕舞い込んでしまう性格だから。今回の婚約のことだって、いつ公表すべきかって、ずっと悩んでいたでしょう?」
「はい……」
この人には、全てお見通しだな……と七緒は恥ずかしさに目を伏せた。
「ほら、また」
悠臣は手を伸ばし、うつむいた彼女の顎に手をかけて上向かせた。
男の手に顎を掴まれて、七緒はうつむくことも出来ず、赤い顔で視線だけ逃した。
「悠臣さん……離して下さい……」
「嫌だ。……そうだな。ここに座ってくれたら、この手は離してあげる」
そう言って悠臣は、ダイニングの椅子に座ったまま、自分の太腿をポンと叩いた。
「えっ……」
絶句した七緒は、けれど赤い顔で立ち上がり、テーブルを迂回して、男の膝の上に腰を下ろした。
「お」
「……これで、よろしいですか」
予想外の素直さに驚きつつ、悠臣は満足げな笑顔になり、膝の上の彼女の腰を掴んで横抱きにすると、その腰をしっかりと両手で包んだ。そしてほんのり湯上がりの香りが立つ、彼女の首筋に額を預ける。
「はっ、悠臣さんっ……」
「いいだろう、このくらい。ヤキモキさせられた罰だよ」
「……これは別に、私への罰にはなりませんけど」
「じゃあ僕へのご褒美ってことで。君がその気になるまで、婚約のことを内緒にし続けたんだからね」
「……はい。感謝しています。ありがとうございます」
七緒もそこで表情を緩め、男の頭を両手で包むように抱いた。
「待っていて下さって、ありがとうございました」
そう言って七緒は、自分から彼に口づけた。
そっと唇を触れ合わせるだけのキスを交わし、七緒ははにかんだ顔で微笑んだ。
「いつもいつも、あなたの存在が、私に一歩を踏み出す勇気をくれます。悠臣さんがいてくれるから、私は毎日頑張れるし、前を向いて生きることが出来ます」