愛され秘書の結婚事情*AFTER
「ああっ……あぁ……っ」

 男が吐く燃えるような息が首筋に掛かり、それさえも新たな火種となって、七緒は時間も場所も忘れて乱れた。

 こんなに激しく強く求められたことはなく、一体彼はどうしてしまったのかと、不安が胸をよぎる。

 だがそれでも、自分の肌に触れる手や、その眼差しは濃く強く、男が彼女に抱く愛情を伝えて来た。

 花嫁が身につけたビスチェやショーツを奪い、悠臣は自身の鍛えられた体を剥き出しにして、彼女を幾度も抱いた。

 リビングから隣のベッドルームに場所を移し、そこでも彼は彼女を飽くことなく求め続けた。

 けれど、時間を忘れてしまうほど感じ続けた七緒は、何度目かのオーガズムの波に悲鳴に近い嬌声を上げ、そのままぐったりと動かなくなった。

 軽く意識を飛ばし、脱力したその体をそっと抱き締め、悠臣は彼女の目が開くのを待った。

 ほどなくして、七緒はゆるゆると覚醒した。

 自分をぼんやり見上げる彼女を見て、悠臣は「ごめん」と静かに詫びた。

 そして彼は、心底申し訳なさそうに七緒を見つめた。

 その顔はいつもの優しい桐矢常務の顔で、七緒はホッとしてその頬に触れた。

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