愛され秘書の結婚事情*AFTER
悠臣は花嫁に軽く口づけ、「急に、怖くなったんだ」と告白した。
「世界が全て、完璧に見えた。空は青く、風が心地良く吹いて、周囲には親しい者たちの笑顔……目の前には美しい花嫁……。あの日と、全く同じだった……」
“あの日”がいつを指すのか瞬時に理解し、七緒は目を見開いた。
「でも、君は彼女じゃない。僕もあの時の僕じゃない。それを確かめたかった。実感したかった」
「悠臣さん……」
温かな腕に包まれ、七緒は辛そうに目を細めた。
自分が思っていたよりずっと深く、前の結婚は男の心に消えない傷を残したのだ、そう思った。
「僕にとって、過去は汚点でしかなかった。だけど、七緒。君に会えた。君を愛し、愛された。だから僕はもう、過去を過去にしたい。君との未来だけを思って生きていきたい。……今日みたいなことは、二度としないよ。本当にごめん」
「悠臣さん……」
「乱暴にされて、僕を嫌いになったかい」
探るような表情で問われ、七緒はクス、と小さく笑った。
「いいえ。驚きましたけど、乱暴されているとは思いませんでした。いつもの優しくて穏やかな悠臣さんも好きだけど、ワイルドな悠臣さんも素敵でしたよ」
「え……」
驚きで目を瞬く悠臣を見て、七緒は恥ずかしそうに赤くなって笑った。
「それにたまには、こういう風に激しく求められるのも悪くないなって、思います」
「それは……良かった……」
意外な返事に呆然と答え、悠臣は自分も顔を赤らめて、言った。
「じゃあええと、たまにはこういうのも……アリってこと?」
「アリです」
即答して、七緒はニッコリと笑った。
「よ……良かった……」
悠臣は心底安堵したように胸を押さえ、それから、いきなり気が抜けたように、ベッドの上にどさりと倒れ込んだ。
「世界が全て、完璧に見えた。空は青く、風が心地良く吹いて、周囲には親しい者たちの笑顔……目の前には美しい花嫁……。あの日と、全く同じだった……」
“あの日”がいつを指すのか瞬時に理解し、七緒は目を見開いた。
「でも、君は彼女じゃない。僕もあの時の僕じゃない。それを確かめたかった。実感したかった」
「悠臣さん……」
温かな腕に包まれ、七緒は辛そうに目を細めた。
自分が思っていたよりずっと深く、前の結婚は男の心に消えない傷を残したのだ、そう思った。
「僕にとって、過去は汚点でしかなかった。だけど、七緒。君に会えた。君を愛し、愛された。だから僕はもう、過去を過去にしたい。君との未来だけを思って生きていきたい。……今日みたいなことは、二度としないよ。本当にごめん」
「悠臣さん……」
「乱暴にされて、僕を嫌いになったかい」
探るような表情で問われ、七緒はクス、と小さく笑った。
「いいえ。驚きましたけど、乱暴されているとは思いませんでした。いつもの優しくて穏やかな悠臣さんも好きだけど、ワイルドな悠臣さんも素敵でしたよ」
「え……」
驚きで目を瞬く悠臣を見て、七緒は恥ずかしそうに赤くなって笑った。
「それにたまには、こういう風に激しく求められるのも悪くないなって、思います」
「それは……良かった……」
意外な返事に呆然と答え、悠臣は自分も顔を赤らめて、言った。
「じゃあええと、たまにはこういうのも……アリってこと?」
「アリです」
即答して、七緒はニッコリと笑った。
「よ……良かった……」
悠臣は心底安堵したように胸を押さえ、それから、いきなり気が抜けたように、ベッドの上にどさりと倒れ込んだ。