恋歌はクリスマスを彼と過ごしたい
無言のアピールもむなしくうんうんとひとみが首肯を繰り返す。
……この人、わざと私を苛つかせてるんじゃないよね?
恋歌はつい嫌な想像をしてしまう。
そんな想像をしてしまう自分が嫌になってきた。
ああもう、これも村田のせいだ。
「あのー先輩」
やむなく恋歌は否定する。
「村田さんとの予定はまだないです」
「まだ?」
いらんことにひとみが食いつく。
本当に放っておいてくれないかな。
「これから誘うんです。もしくはこれから誘われるんです」
自分で予定がないのを認めてしまった。
口が裂けそう。
裂けたら村田に責任をとってもらわないと。
「うーん」
ひとみが軽く腕を組み、首を傾げた。首のラインがとってもきれいだ。
あ、この仕草はちょっと色っぽい。
私も村田の前で真似しよう。
「村田さんから誘ってくるっていうのはないかなぁ」
がーん!
わかっていたけど他人から指摘されるとダメージでかい!
恋歌は内心でショックを抑え込み、ともすれば表情に出てしまいそうな動揺を必至に笑みで覆い隠す。
「えーっ、どうしてそんなこと言うんですか? 後輩いじめだったら怒りますよ」
「だって、村田さんだし」
うーん、とひとみが目をつぶって嘆息する。
「あなたが毎日のように営業部に通って『好き好きビーム』を浴びせているのに全く聞いていない村田さんよ」
「……」
先輩、泣いてもいいですか?
あと、わかっているならどうして「中野さんには村田さんがいるものね」なんて言うんですか。
やっぱりいじめ?
自分がクリぼっち確定だからってひがんでいるの?
……この人、わざと私を苛つかせてるんじゃないよね?
恋歌はつい嫌な想像をしてしまう。
そんな想像をしてしまう自分が嫌になってきた。
ああもう、これも村田のせいだ。
「あのー先輩」
やむなく恋歌は否定する。
「村田さんとの予定はまだないです」
「まだ?」
いらんことにひとみが食いつく。
本当に放っておいてくれないかな。
「これから誘うんです。もしくはこれから誘われるんです」
自分で予定がないのを認めてしまった。
口が裂けそう。
裂けたら村田に責任をとってもらわないと。
「うーん」
ひとみが軽く腕を組み、首を傾げた。首のラインがとってもきれいだ。
あ、この仕草はちょっと色っぽい。
私も村田の前で真似しよう。
「村田さんから誘ってくるっていうのはないかなぁ」
がーん!
わかっていたけど他人から指摘されるとダメージでかい!
恋歌は内心でショックを抑え込み、ともすれば表情に出てしまいそうな動揺を必至に笑みで覆い隠す。
「えーっ、どうしてそんなこと言うんですか? 後輩いじめだったら怒りますよ」
「だって、村田さんだし」
うーん、とひとみが目をつぶって嘆息する。
「あなたが毎日のように営業部に通って『好き好きビーム』を浴びせているのに全く聞いていない村田さんよ」
「……」
先輩、泣いてもいいですか?
あと、わかっているならどうして「中野さんには村田さんがいるものね」なんて言うんですか。
やっぱりいじめ?
自分がクリぼっち確定だからってひがんでいるの?