恋歌はクリスマスを彼と過ごしたい
 恋歌は答えを見つけようと中空に目を泳がせた。

「えっとですね」

 ここで予定がないなんて口が裂けても言えない。

 ひとみに憐れまれるなんて御免だった。

 どうにかして切り抜けようと恋歌は頭をフル回転させる。仕事中でもこんなに考えたりしないのだがこういうときは仕方ない。

 恋歌が答えずにいると「あ、そうよね」とひとみが一人で納得した。

「中野さんには村田さんがいるものね」
「……」

 先輩、それ地雷です。

 一番踏んじゃダメなところを踏んでます。
 
 
 
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