【女の事件】とし子の悲劇~2・5世帯のなみだ
第25話
高松市円座町の家で発生した事件で、桂一郎さんはアタシを犯したクソッタレ義父を死なせた容疑でケーサツに逮捕された。

さらに、2014年夏に河原津の漁港での新居浜の信金の女性職員さんに集団でレイプして死なせた事件や大明神池で会社の同僚の男性を刃物で一撃を喰らわせて亡くなった事件と丹原で禎二さんの妻をレイプして死なせた事件のことを供述したので、桂一郎さんはケーサツに再逮捕された。

今後桂一郎さんは、香川と愛媛の二つの県警の捜査1課による合同取り調べで、きびしく追及されることになった。

アタシは、事件のあと警察署の生活安全課に保護されて、三原市で暮らしている両親に迎えに来ていただいた後、そのまま実家へ出戻りとなった。

実家に帰ってきたアタシは、3ヶ月間は部屋で静かに暮らしていた。

しかし、その間にクソッタレ義父にレイプされたことが原因で妊娠していたのを聞いたので、両親があわててお見合いのはなしを入れた。

2016年12月25日、アタシは両親のすすめで徳島県美波町に住んでいる父親の知人を介して、父親の知人の知人の鈴原さんの家のひとり息子さんで徳島県議会議員さんの真佐浩さん(まさひろさん・51歳)とお見合いをして、再婚をした。

けれど、役場に婚姻届は出さなかった。

アタシはこの時、39歳だった。

真佐浩さんの家は、美波町日和佐恵比須ヶ浜の高台の一等地にある。

家は一戸建ての3階建ての白亜の豪邸で、ひとつ屋根の下で真佐浩さんとアタシと真佐浩さんの前のお嫁さんの娘さんのちづるさん(18歳・以降呼びすてで表記)と真佐浩さんの両親が暮らしていた。

最初のうちは幸せに暮らしていたけど、2017年6月に徳島県議会でのヤジが問題になった時から家庭内の人間関係がおかしくなっていた。

2017年6月1日のことであった。

アタシはこの時、出産を控えていて体を大切にしなければならない時期に来ていた。

事件は、徳島県議会の一般質問の時に発生した。

34歳の野党の女性議員さんが議長に質問中に、突然政府与党の男性議員がヤジを飛ばして来たので、女性議員さんは悲しくなって、質問席から離れて外へ出て行った。

議会が終了してから数時間後のことであった。

真佐浩さんが県庁を出たあと、日和佐の家に帰ろうとしていた時に突然数人の報道機関の記者に取り囲まれてしまった。

「徳島新聞の県政担当のAですが…」
「四国放送の県政担当のBですが…」

真佐浩さんは、議会中に女性議員さんに対するヤジの問題で真佐浩さんがヤジを飛ばしたのではないかと報道機関の記者から問い詰められた。

真佐浩さんは平然とした表情、取材攻勢をふりきったあと、車に乗って帰宅した。

しかし、次の日に徳島県議会で女性議員さんに『早く結婚しろ!!』とヤジを飛ばした議員は美波町選出の議員ではないかと言うニュースが朝の全国ネットのニュースで報じられた。

美波町からは、真佐浩さんを含めて3人の県議会議員さんがいる。

二人の男性議員さんは、議長から事情を聞かれた問いに対して、『ヤジを飛ばしていない!!』『私はヤジを飛ばすようなことはしていない!!』と答えて、否定した。

6月9日のことであった。

美波町から選出された二人の議員さんは、ヤジを飛ばしていないので、真佐浩さん…いいえ、はぐいたらしくなったからクソッタレ真佐浩と書いておくわ…クソッタレがヤジを飛ばしていたことが判明した。

クソッタレは、ヤジを飛ばされてひどく悲しんでいる女性職員さんに謝罪をする機会をズルズルと先伸ばしにしていたので、少しずつ追い詰められていた。

クソッタレは、別々に暮らしているおじいさまから『事態を収束させるために早めに謝罪をしなさい!!』と厳しく言われたことにはぶてて(ひねくれて)いた。

クソッタレのおじいさま…いいえ、じいやんと書いておくわ…クソッタレのじいやんは、美波町内の別の場所で暮らしていた。

クソッタレのじいやんは、元徳島県議会の議長など議員さんを7期勤めた後に地元出身の政府与党の政党の徳島県連の推薦を受けて参議院議員を二期12年、厚生労働省の副大臣を歴任して、男女平等や共同参画社会を提言しまして国のため徳島県のためにせっせと働いてきた人(どこがよ…上級国民だからえらそうにしてはるわね…)だったと思う…

クソッタレバカ孫が県議会で女性議員さんに対するヤジを飛ばしたことについては、思い切り怒っていた。

夕食の時であった。

食卓には、アタシとクソッタレ真佐浩と真佐浩さんの両親(以降は義父母と表記)がいた。

アタシは流しにいて、ガステーブルでみそしるを温めていた。

テーブルの上には、お肉料理や野菜サラダなどのごちそう(となりの家のお残りだから、エサ同然よ)が置かれていた。

自分が悪いことしといて、はぶてまくっているクソッタレに、義父は優しく言うていた。

「真佐浩、おじいさまは真佐浩が徳島県のためにこれからも働いてほしいから厳しく言っただけなのだよ…先週の県議会で女性議員さんにヤジを飛ばしたことについては、きちんと謝罪をした方がいいよ…次からはヤジを飛ばさなければいいのだから…」
「ひとごと見たいに言うなよ!!あやまったら許してくれると思う言い方じゃないか!!」
「何を言っているのだよ…おとーさんも仕事で失敗しても仕事で名誉を回復できたのだから…徳島県のためにせっせと働けばきっと許してもらえるから…また1からやり直せばいいじゃないか。」
「真佐浩、お父さんは真佐浩に県議会議員さんを続けてほしいから言っているのよ…せっかくとしこさんが真佐浩のために大好きなお肉の料理を作ってくれたのよ(ウソ言うな!!)…だから…ごはん食べて明日からはまた元気にがんばりなさい。」

義母は、クソッタレに過度にやさしい声で言うたあと、白いお皿の上にお肉とサラダのお野菜をのせていた。

アタシは、温まったみそしるを食卓に持ってきたけれど、この時にクソッタレがアタシを右足でけとばした。

(バシャッ!!)

みそしるが入っていた鍋は、アタシの手から離れた後に床に落ちて、鍋の中身が床に広まっていた。

「としこ!!」

アタシは、クソッタレにけられて倒れた後、右足で思い切り頭を踏まれてしまった。

「としこ!!オドレはいつからオヤジとオフクロにコビヘツらうようになったのだ!!オレのことをよくもグロウしたな!!」
「何すんのよ!!やめてよ!!」
「としこ!!」
「真佐浩!!としこさんが何をしたと言うのよ!?としこさんはね!!真佐浩が元気になれるようにと思ってごはんを作って下さったのに…真佐浩!!」
「だまれ!!」

(ガツーン!!ガツーン!!ガツーン!!)

クソッタレ真佐浩は、義母の顔をグーで思い切り殴ったあと、より強烈な声でイカクした。

「オドレ殺したろか!!殺したろか!!としこにばかりエコヒイキしやがって!!オドレオヤジ!!ぶっ殺すぞ!!」
「何を言っているのだよ!!オドレは勤めていた会社をやめて、転職をしたいからハローワークに行ってシューカツしたのに不採用の山ばかりが多いから、助けてくれと言って、わしが紹介した事業所も与えられた仕事にあれこれ文句ばかり言ってやめてしまって行くところがなくなったから、おじいさまが歩き回って、お前を県議会の議員さんにしてあげたいと思って働きかけたのだぞ!!誰のおかげでオドレはプータローにならずにすんだと思っているのだ!?白亜の豪邸を建てることができたのは誰のおかげだ!?」

クソッタレは、ワーッとなって食卓をひっくり返した後、部屋に置かれていたゴルフクラブのウッドを手に取って、義父を右足で思い切りけとばして倒した。

クソッタレは、倒れてしまった義父をウッドで思い切り殴り付けていた。

「死ねや!!死ねや!!」

義父は、抵抗することができずに殴られぱなしになっていた。

「フザケルな!!オレは県議会議員にはなりたくなかったのだよ!!オレはあんたの言いなりになって県議会議員になったのだよ!!許せない!!」
「お前はおじーさまの気持ちが分からないのか!?選挙活動を支援して下さった町民のみなさまの気持ちが分からないのか…情けない…おとーさんとおかーさんを叩くのか…何のためにお前を50年間育ててきたと思っているのだ…真佐浩!!」

クソッタレは、なおも怒り狂いまして家中を暴れまわっていた。

アタシはこの時、クソッタレのことを意気地無しと決めつけてブベツした。

その間に、クソッタレは女性議員さんへの謝罪の機会をズルズルと先伸ばしにしていたので、政府与党の政党の徳島県連の数人の男性幹部が家に出向いて、女性議員さんへの謝罪をするようにと働きかけていた。

しかし、クソッタレは帰れ帰れを連発して、かたくなになっていた。

2017年7月10日のことであった。

県議会で女性議員さんにヤジを飛ばした事件から1ヶ月が経過したのに、クソッタレはナマクラだから謝罪をしようと言う気持ちは全くなかった。

政府与党の政党の徳島県連の男性幹部たちは毎日のように家に来て説得をしているけど、クソッタレは口をつむじ曲げにしてはぶてまくっていた。

そのまた上に、事件が発生した。

ちづるが、クソッタレに対して発した言葉が原因で、さらに大きな衝撃が走った。

「おとーさん…アタシね…無期限高校を休学するから…卒業はしないから…単位不足でリューネンをするくらいなら、無期限休学するから…アタシね…デキちゃったの…」

そのまた上に、ちづるが3つ年上の塗装工のチャラいカレシを連れてきたので、家庭内にさらに激しい衝撃が走っていた。

ちづるは『住むところがないからカレとここで暮らすから…今日役場に婚姻届を出したから…』とも言うたので、クソッタレはさらに大きな衝撃を受けて立ち直れなくなっていた。

それから3日後に、ちづるは家族の猛反対をごり押しで押しきって、3つ年上の塗装工のカレシと新婚生活を始めていた。

そのことで、クソッタレはアタシに対して思い切り怒鳴りつけた。

アタシもこの時、ドカーンとキレていたので、クソッタレ真佐浩と大ゲンカになっていた。

「あんたね!!いつまで謝罪をズルズルと先伸ばしにしている気なのよ!?あんたは、徳島県の議員さんとして恥ずかしくないの!?どうするのよこれから先!!あんたもしかして…議員辞職するつもりなの!?何とか言いなさいよ!!」
「としこだって、オヤジとオフクロにコビヘツらってばかりいたから!!ちづるがカレを連れてきていついてしまったのだよ!!」
「キーッ!!何なのよあんたは!?あんたこそね!!女性議員さんに謝罪をしようとせずによくヌケヌケとしていられるわね!!謝罪をしないと言うのならば!!議席を徳島県に返して、元の会社員の暮らしに戻りなさいよ!!安月給でも、与えられた仕事をしなさいよ!!上司に口答えばかりしていたから、仕事干されたのでしょ!!上級国民になれたからと言うてえらそうにしないでよ虫ケラ上級国民!!」
「だまれ!!」

(ガツーン!!ガツーン!!)

アタシは、クソッタレにグーで思い切り顔を殴られた。

クソッタレにグーで殴られたので、右のほほに血がにじみ出ていました。

アタシは、にらんだ目つきでクソッタレをにらみつけていた。

クソッタレはアタシに『何やその目は!?淡白目(たんぱくがん)でオレを見ているのか!?』と言うて来たので、アタシはより強烈な暴言をクソッタレにはいた。

「フザケルな!!あんた、前の嫁さんにもアタシと同じようにきつい暴力をふるっていたのでしょ!!ひとりで生きて行くことができないくせに…でかい顔をするんじゃないわよ!!あんたはどこのどこまで弱虫なのよ!!」
「何だと!!」

クソッタレは、アタシの言葉に思い切りキレてたので、アタシとドカバキの大ゲンカを起こした。

その末に、4度目の結婚生活も破綻した。

アタシは次の朝、着替えとメイク道具をぎっしりと詰めたボストンバックと赤茶色のバッグを持って家出をした。

アタシの胎内の赤ちゃんは、クソッタレから受けた暴力が原因で胎盤ハクリを起こして、流産をした。

クソッタレはとうとう、謝罪の機会を逃してしまったので、徳島県の県議会の議員さんを続けて行くことができなくなった。

ちづるとカレシは、そんなギスギスした中で新婚生活を始めていたので、家庭内の人間関係に亀裂が生じていた。
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