いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました

そんな真衣香達が会話をしている隣では、ダーツゲームを楽しむ咲山やその友人達がいて、楽しそうな声が店に響いている。

先ほどまでの微妙な空気も、お酒や、ゲームの盛り上がりなどで消えてきた頃。

真衣香の隣をようやく離れ、仲間たちと談笑する坪井の姿に安心した真衣香は席を立ちトイレへと向かった。

やっと友人達と楽しめているのだ。
邪魔をしたくはなかった。

辿り着いたトイレの中は、一面シルバーのラメが散りばめられた黒い壁に覆われて、大きな鏡のゴールドの縁がキラキラと輝きを放っている。

(こ、こうゆうお店はトイレまでオシャレなんだな……)

なんとなく居心地悪く、いそいそと鏡を見て軽く化粧直しをしていると、ドアが開く音がする。

鏡越しに背後を見れば、咲山の姿があった。

「さ、咲山さん?」

振り返ると、鼻筋通った綺麗な小顔が笑顔を作った。

その笑顔に何故だか、ギクリと心臓が鳴る。
後ずさりたくなる、この気持ち。
やはり真衣香は咲山に対して脅威を感じ、苦手意識を持っているようだ。

「涼太に守ってもらって、余裕だねぇ。立花さん」

笑顔の咲山から発せられている声は、うんざりと吐き捨てるようで。
靴のかかとをトイレのタイル床でコツコツと鳴らしている。その雰囲気から、表情とは掛け離れた苛立ちを感じ取った。

「えっと……」

「でもさ、調子乗らない方がいいと思うんだよね。あ、これアドバイスだよ」

ドアにもたれて腕を組み、咲山は真衣香を睨んだ。
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