いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
坪井は息を整えるように深く深呼吸を数回、繰り返した。
その後真衣香の乱れた服を、ゆっくりと優しく整えながら言う。
「な、お前さ、頼むからそんな簡単に男を信じるなって」
「え……?」
はは、っと嘲笑うかのような声の後、続いた言葉に真衣香は耳を疑ってしまう。
空気がまるで、変わってしまったと感じながら。
「この家に女入れるとさ、どの子も揃って俺を疑うんだよ。今彼女いないって言ってなかった?ってさ」
いつも綺麗に横へ流れてる前髪が、乱れていて。坪井はそれを怠そうに掻き上げた。
「お前は? 思っただろ? なんで聞かないの」
「そ、それは……」
「ま、先に言っとくと大体今は夏美の物だよ、その辺に置いてあるの。多分」
ついさっきまで優しかった声が、急に冷たさを混えて、真衣香を射抜くように放たれる。
「女はもちろん好きだけど、深入りされんのもマジになられんのもゴメンなんだよね、俺。だから夏美も、他も、勝手にさせてる」
「え? か、勝手にって……?」
徐々に意識を覚醒させつつ何とか発した。
聞き返す真衣香の目をジッと見つめてくる、その瞳に、大好きな優しい色はない。
かわりに、小馬鹿にしたように首を捻られた。
「好都合なんだよね。女って、牽制し合うだろ? その結果疑って勝手に離れてくれるなら苦労ないじゃん」