いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました
ああ、ほら。心にずっとあったわだかまりを、知らないフリするから。
そんな夢見がちなことしたから。 心の中で自分に言い聞かせるようにして、真衣香はここに至るまでの自分を振り返っていた。
「あ、マジで? そっか、どうだった? 言ったことあったっけ?」
あっけらかんと、まるで、悪びた様子もみせず坪井は聞く。
答えなど、知っているくせに。
「……うん、言われたこと、なかった、よね」
「だね、そーゆうこと」
――痛かった。
心臓が、握り潰されてしまうのではないかと思った。
坪井が発する言葉は、鋭利な刃物のように真衣香の心を斬りつけ、重い鉛のように抑え付ける。
「あ、はは、は……、ごめんね、ごめんなさい坪井くん」
”そーゆうこと”と、短くまとめられた。要は全て真衣香の勘違いだったということ。
「立花?」
「あれ、冗談だったのに私……すぐに返事しちゃったから」
笑顔を、作っているつもりだった。
どうしてかって? よくわからないけれど、しっきから笑い声が止まってくれないからだ。
……それなのに。
「じょ、冗談、言わないで、坪井くん……って、あの日、そう返事したら正解だったのかなぁ?」