いない歴=年齢。冴えない私にイケメン彼氏ができました


「な、なん、なんだ!?どうした、俺か!?余計なこと聞いたのか、セクハラか!?」

八木が珍しく驚いている。

「ち、違います、ごめんなさい。目が、痛くて……」
「いや。そんなレベルか」
「あと、坪井くんのことは私の勘違いだったので、もう付き合ってるとか、そんなんじゃないんです。色々お騒がせしてすみません」

平然を装って話しているつもりなのに、涙は止まる様子もなく。

「な、泣くな、余計なこと聞いたな、とりあえず俺が悪かった」
「だから泣いてませんよ。ほんと、大丈夫です」

言いながら無理のある、震える涙声で真衣香は答える。
仕事中にプライベートを持ち込んで涙ぐむことも、八木を慌てさせていることも全てが情けない。

ふう、と息を吐いた。
落ち着きたくて、次々と涙を溢れさせる熱い目の奥をどうにかしたくて、深く息を吸って吐いたのだ。

すると、どうしたのか。八木が「……おい、ちょっと待て。触るぞ」と、短く言って真衣香の前髪をかき分けながら額に触れた。

「え……?何ですか?」

ひんやりとした手の感触が気持ち良くて、目を閉じてしまいそうになる。

「何ですか?じゃねーよ!お前はアホか!熱いわ!」

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